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変形性膝関節症の医学的な原因と整体の考え方|軟骨のすり減りと「悪循環」の関係

山田涼太
3 日前
読了時間: 6分
ご年配の方の膝関節痛予防のトレーニングを受けている


「立ち上がる時や階段の上り下りで、膝がズキッと痛む」


「正座ができなくなってきた」


このような症状に心当たりがある方は、「変形性膝関節症」の可能性があります。今回は、その医学的な原因と治療法を正確にお伝えしたうえで、整体がどこまで関われるのか、正直にお話しします。



変形性膝関節症とは、医学的に何が起きているのか


膝関節には、骨と骨の間でクッションの役割をする「軟骨」があります。この軟骨が、加齢などによって徐々にすり減り、骨同士が直接ぶつかり合うようになることで、痛みや炎症が生じる病気が「変形性膝関節症」です。進行すると、骨そのものが変形していきます。

厚生労働省の調査では、自覚症状のある患者数は国内で約1,000万人、潜在的な患者数まで含めると約3,000万人と推定されており、決して珍しい病気ではありません。罹患率は年齢とともに高くなり、女性に多いとされています。



なぜ起こるのか


主な原因は加齢による軟骨の老化ですが、それ以外にも以下の要因が関係します。


  • 肥満による膝への過度な負荷

  • 膝を支える筋力の低下

  • 過去の怪我や手術歴

  • O脚など、膝にかかる力のかかり方の偏り



進行のパターンと「悪循環」


変形性膝関節症は、初期の「違和感」から始まり、中期、末期へと段階的に進行していきます。末期になると、安静にしていても強い痛みが出ることがあります。

ここで重要なのが、痛みによって陥りやすい悪循環です。膝が痛むと、無意識に動かさないようにしてしまいます。すると膝まわりの筋力が落ち、関節を支える力が弱まり、関節の安定性が悪化します。その結果、さらに膝への負担が増え、痛みが強くなる——という悪循環に陥りやすいことが指摘されています。



医学的な標準治療


① 運動療法

膝まわりの筋力強化やストレッチは、先ほどの悪循環を断ち切るための基本的な治療として位置づけられています。

② 薬物療法

消炎鎮痛剤(外用薬・内服薬・坐薬)で、炎症や痛みを抑えます。

③ 関節注射

ヒアルロン酸ナトリウムやステロイド剤を関節内に注射する治療です。ヒアルロン酸は、すり減って少なくなった関節液の成分を補い、関節の動きを滑らかにする役割が期待されます。

④ 装具療法

膝サポーターや足底板で、膝への負担を軽減します。

⑤ 手術

症状が進行し、日常生活に大きな支障が出る場合は、骨切り術や人工膝関節置換術が検討されます。



よくある誤解について


グルコサミンやコンドロイチンといった成分は、サプリメントとして広く知られていますが、日本では医学的な有効性が証明されておらず、サプリメントとして販売されているのが現状です。過度な期待をせず、あくまで医学的根拠のある治療を優先することをおすすめします。



整体で対応できること、できないこと


整体で直接できないこと

一度すり減ってしまった軟骨を、施術によって元に戻すことはできません。これは医学的にも「再生が難しい」とされている部分で、誇張せずお伝えする必要があります。


整体で対応できる可能性があること

先ほどお伝えした「悪循環」を思い出してください。膝まわりの筋力低下・関節の安定性の悪化という部分は、まさに運動療法(医学的な標準治療)が担う領域であり、整体が力になれる部分でもあります。


  • 膝を支える筋肉(太もも前面・後面など)の状態を評価し、必要な筋力強化をサポートする

  • 膝への負担を強めている歩き方や姿勢の癖を見直す

  • O脚など、膝への力のかかり方の偏りに対して、周囲の筋肉バランスを整える


軟骨そのものは治せなくても、軟骨への負担を減らし、悪循環を断ち切るお手伝いはできる、というのが整体の役割だと考えています。



こんな時に整体という選択肢を考えてほしい


  • すでに整形外科で変形性膝関節症と診断を受けている

  • 安静時にも激しく痛む、膝が熱を持って腫れているといった急性の強い症状はない

  • 運動療法をすすめられているが、自己流では続けにくい

  • 手術は今のところ避けたいが、できることをしたい


なお、膝が急に大きく腫れる、熱を持つ、強い赤みがある場合は、感染症や痛風など別の病気の可能性もあるため、整体ではなく速やかに医療機関を受診してください。



実際にあったご相談から


以前、変形性膝関節症と診断され、「痛いのでできるだけ歩かないようにしている」という方のご相談がありました。動かさないことでかえって太もも前面の筋力が落ち、膝の安定性が下がっている状態でした。無理のない範囲で筋力へのアプローチと歩き方の見直しを行っていく中で、日常生活での歩きやすさが少しずつ改善していったケースがあります。あくまで一例であり、軟骨のすり減りの程度によって経過は異なります。



当院での考え方とアプローチ


当院では、変形性膝関節症そのものを「治す」とは言いません。すり減った軟骨を元に戻すことはできないためです。

そのうえで、診断を受けた後の「悪循環」——筋力低下や姿勢・歩き方の崩れ——に対しては丁寧に評価し、膝への負担を減らすお手伝いをしています。

→ 詳しくはこちらの膝関節痛のページをご覧ください



まとめ


変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで起こり、一度すり減った軟骨を元に戻すことはできません。しかし、痛みで動かさなくなることによる筋力低下と、それによるさらなる負担増加という「悪循環」に対しては、運動療法という形で医学的にもアプローチが確立されており、整体もこの部分で力になれる可能性があります。

 


ここまでお読みいただきありがとうございます。


今回の内容のように、変形性膝関節症による痛みや動きづらさは、

軟骨のすり減りの程度、

膝を支える筋力の状態、

歩き方や姿勢の癖、

膝への負担のかかり方の偏り

が関わっていることが多くあります。

そのため、すでに整形外科で診断を受けている場合でも、

「痛いから、できるだけ動かさないようにする」

という対処だけでは、かえって悪循環を強めてしまうケースも少なくありません。


実際に、

「立ち上がる時に膝がズキッと痛む」

「正座がしづらくなってきた」

「歩くのが不安で、外出を控えている」

という方の多くが、

"膝を支える筋力や、負担のかかり方の偏り"へのアプローチが、これまでの対処に含まれていない状態です。


もし、

・すでに変形性膝関節症の診断を受けている

・安静時の激しい痛みや、膝の熱感・腫れはない

・運動療法をすすめられているが、続け方に悩んでいる

このような状況に当てはまる場合は、整形外科での治療と並行して、体の使い方を見直すことを検討する価値があります。


当院では、診断内容や現在の治療状況を伺ったうえで、

膝を支える筋力や歩き方の癖まで含めて評価し、

「今の生活の中で、何が膝への負担を強めてしまっているのか」

を一緒に整理していきます。


無理に通院をすすめることはありませんので、

「まずは今の状態について相談したい」

という方も安心してご相談ください。



参考文献

  • 慶應義塾大学病院 KOMPAS「変形性膝関節症」

  • 千葉白井病院 人工関節センター「変形性膝関節症とは|病気の概要と最新の治療法を解説」

  • 日本の名医「【変形性膝関節症とは】症状や原因、治療法、費用について」

  • 東京整形外科ひざ・こかんせつクリニック「変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注射とは」

  • オムロン ヘルスケア「変形性膝関節症の治し方-運動および薬、手術による治療法」

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