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変形性股関節症の医学的な原因と整体の考え方|日本人に多い「隠れた原因」とは

山田涼太
2 日前
読了時間: 6分
股関節の痛みを我慢する女性


「歩き始めや長く歩いた後に、股関節がズキッと痛む」


「靴下を履く時や、爪を切る時に股関節がつらい」


このような症状に心当たりがある方は、「変形性股関節症」の可能性があります。今回は、その医学的な原因と治療法を正確にお伝えしたうえで、整体がどこまで関われるのか、正直にお話しします。



変形性股関節症とは、医学的に何が起きているのか


股関節は、骨盤側の「寛骨臼(かんこつきゅう)」というくぼみに、太ももの骨の先端(骨頭)がはまり込む構造をしています。この関節の軟骨がすり減り、やがて骨自体が変形していく病気が「変形性股関節症」です。

進行の程度は、前期・初期・進行期・末期の4段階で評価され、進行するにつれて骨の変形や、関節の隙間の消失が進んでいきます。



日本人に多い、隠れた原因


膝の変形性関節症は加齢による摩耗が主な原因ですが、股関節の場合、日本人には**「寛骨臼形成不全」**という、生まれつきの骨格が関係しているケースが多いことが分かっています。

寛骨臼形成不全とは、骨頭を受け止める寛骨臼の被覆(覆っている部分)が、生まれつき浅い状態のことです。この被覆が浅いほど、骨頭にかかる圧力が特定の場所に集中しやすくなり、関節症の進行が早まりやすいとされています。

つまり、股関節痛は「使いすぎ」や「加齢」だけでなく、もともとの骨格的な特徴が土台にあることが少なくない、という点が特徴的です。



医学的な標準治療

① 生活指導

体重管理、杖の使用、和式から洋式の生活様式への変更など、股関節への負担を減らす工夫が基本になります。

② 運動療法

股関節周囲の筋力訓練とストレッチによって関節を安定させ、痛みを和らげ、進行を抑制する効果があるとされています。ただし、過度な歩行など、関節に体重がかかりすぎる方向での訓練は逆効果になるという注意点があります。負荷のかけ方を誤らないことが重要です。

③ 手術療法

安静時にも痛い、関節の変形が目立つ、歩くのが困難、靴下が履きにくい・爪が切りにくいといった日常動作に支障が出てきた場合、手術が検討されます。手術には、自分の骨を活かす「骨切り手術」と、傷んだ関節を人工物に置き換える「人工股関節置換術(THA)」があります。



整体で対応できること、できないこと


整体で直接できないこと

生まれつきの骨格(寛骨臼形成不全など)そのものを変えることはできません。また、進行した変形そのものを元に戻すこともできません。

整体で対応できる可能性があること

医学的な標準治療の中に「股関節周囲の筋力訓練とストレッチ」が明確に位置づけられていることからもわかるように、関節を支える筋肉のバランスを整えるという方向性は、整体が力になれる部分です。


  • 股関節を支える筋肉(お尻・太もも・体幹)の状態を評価し、バランスを整える

  • 歩き方や姿勢の癖によって、股関節への負担が偏っていないか確認する

  • 過度な負荷にならない範囲で、無理のない動かし方を提案する


ここで大事なのは、医学的な情報にもあった通り、「とにかく動かせばいい」わけではないという点です。負荷のかけすぎはかえって逆効果になるため、その方の関節の状態に合わせた、無理のない関わり方を心がけています。



こんな時に整体という選択肢を考えてほしい


  • すでに整形外科で変形性股関節症と診断を受けている

  • 安静時にも痛むような、手術を検討すべき段階ではない

  • 運動療法をすすめられているが、負荷の加減が自分では分かりにくい

  • 日常の歩き方や姿勢の癖を見直したい



実際にあったご相談から


以前、変形性股関節症と診断され、「歩くと股関節が痛むので、なるべく歩かないようにしている」という方のご相談がありました。運動不足によって股関節を支える筋力がさらに落ち、不安定さが増している状態でした。無理のない範囲で股関節まわりの筋肉に丁寧にアプローチしていく中で、日常動作での負担感が少しずつ和らいでいったケースがあります。あくまで一例であり、関節の状態や骨格の特徴によって経過は異なります。



当院での考え方とアプローチ


当院では、変形性股関節症そのものを「治す」とは言いません。骨格や進行した変形は、施術で変えられるものではないためです。

そのうえで、股関節を支える筋肉のバランスや、歩き方・姿勢の癖に対しては丁寧に評価し、無理のない範囲で負担を減らすお手伝いをしています。

→ 詳しくはこちらの股関節痛のページをご覧ください



まとめ


変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨が変形していく病気です。日本人には、生まれつきの寛骨臼形成不全が背景にあるケースが多いことも特徴です。骨格や進行した変形そのものは施術で変えられませんが、医学的な運動療法と同じ方向性で、股関節を支える筋肉のバランスを整えることには、整体が力になれる可能性があります。


 

ここまでお読みいただきありがとうございます。


今回の内容のように、変形性股関節症による痛みや動きづらさは、

生まれつきの骨格の特徴、

股関節を支える筋力のバランス、

歩き方や姿勢の癖、

日常生活での負担のかかり方

が関わっていることが多くあります。

そのため、すでに整形外科で診断を受けている場合でも、

「痛いから、できるだけ歩かないようにする」

という対処だけでは、股関節を支える筋力がさらに落ちてしまうケースも少なくありません。


実際に、

「靴下を履くのがつらい」

「爪切りがしづらい」

「歩き始めに股関節がズキッと痛む」

という方の多くが、

"股関節を支える筋肉のバランス"へのアプローチが、これまでの対処に含まれていない状態です。


もし、

・すでに変形性股関節症の診断を受けている

・安静時にも痛むような、手術を検討する段階ではない

・運動療法をすすめられているが、負荷の加減に悩んでいる

このような状況に当てはまる場合は、整形外科での治療と並行して、無理のない範囲で体の使い方を見直すことを検討する価値があります。

当院では、診断内容や現在の治療状況を伺ったうえで、

股関節を支える筋肉のバランスや歩き方まで含めて評価し、

「今の生活の中で、何が股関節への負担になっているのか」

を一緒に整理していきます。


無理に通院をすすめることはありませんので、

「まずは今の状態について相談したい」

という方も安心してご相談ください。



参考文献

  • 慶應義塾大学病院 KOMPAS「変形性股関節症」

  • 公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法ハンドブック 変形性股関節症 痛みと上手に付き合うために」

  • 徳洲会グループ「整形外科の病気:変形性股関節症」


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