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脊柱管狭窄症の医学的な原因と整体の考え方|歩くと足が痛い、休むと楽になる方へ

山田涼太
9月3日
読了時間: 6分
腰痛の患者の施術風景

「少し歩くと足がしびれて、休むとまた歩けるようになる」

「前かがみになると楽だけど、体を反らすとつらい」


このような症状に心当たりがある方は、「脊柱管狭窄症」の可能性があります。今回は、その医学的な原因と治療法を正確にお伝えしたうえで、整体がどこまで関われるのか、正直にお話しします。



脊柱管狭窄症とは、医学的に何が起きているのか


背骨の中には、脳から続く神経の通り道である「脊柱管」というトンネル状の空間があります。加齢に伴って椎間板が膨らんだり、椎間関節や靭帯(黄色靭帯)が厚くなったりすることで、この脊柱管が狭くなり、中を通る神経が圧迫される状態を「脊柱管狭窄症」と呼びます。50歳以上の中高年に多く見られる疾患です。



特徴的な症状「間欠性跛行」


脊柱管狭窄症の代表的な症状が「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。

歩いているとお尻や足にしびれ・痛みが出て歩きづらくなり、少し前かがみになって休むと、また歩けるようになる——このパターンが特徴です。反対に、体を反らす動作(洗濯物を高いところに干す、上を見上げるなど)で症状が悪化しやすいのも特徴です。

似た症状に、足の血管が詰まることで起こる「血管性の間欠性跛行」がありますが、こちらは前かがみになっても症状が変わらないという違いがあります。歩くと足が痛くなる症状でも、原因によって対処法がまったく異なるため、自己判断せず医療機関で見極めてもらうことが大切です。



圧迫のタイプと、注意すべきサイン


神経の圧迫のされ方によって、症状のタイプが分かれます。

  • 神経根型:片側のお尻から太もも・足にかけて、放散するような痛みやしびれが出る

  • 馬尾型:両足のしびれに加えて、症状が進行すると排尿・排便がしづらくなる「膀胱直腸障害」が現れることがある

もし、両足の広い範囲のしびれに加えて、排尿・排便がうまくできない、感覚がおかしいといった症状がある場合は、緊急性の高いサインです。整体ではなく、直ちに整形外科を受診してください。 これは今回、一番はっきりお伝えしておきたい点です。



医学的な標準治療


① 薬物療法

神経周囲の血流を改善する薬や、神経の痛みを和らげる薬が使われます。

② リハビリテーション・コルセット

姿勢や動作の指導、体幹を支える装具の使用が行われることがあります。

③ 神経ブロック注射

痛みが強い場合、神経の周囲に炎症を抑える薬を注射する治療が行われます。

④ 手術

保存療法で改善せず、日常生活に大きな支障が出る場合は、神経の圧迫を取り除く手術(除圧術)や、背骨を固定する手術が検討されます。


この診断と治療の入り口は、必ず整形外科です。 脊柱管が実際にどの程度狭くなっているかは、MRIなどの画像検査でしか確認できません。ここは整体では判断できない領域です。



整体で対応できること、できないこと


整体で直接できないこと脊柱管という骨や靭帯の構造そのものを変えることはできません。画像診断による正確な狭窄の程度の判断も、整体の範囲外です。排尿・排便障害などの神経症状が出ている場合は、対象外と考えてください。


整体で対応できる可能性があること脊柱管狭窄症と診断された方の中には、症状の重さに対して、周囲の筋肉の緊張や姿勢の崩れが症状を強めているケースがあります。


  • 反り腰の姿勢が強いと、脊柱管がさらに狭くなりやすい向きに負担がかかる

  • 腰まわりの筋肉が過緊張していると、神経周囲の血流がさらに悪化しやすい

  • 歩き方のクセによって、症状が出るまでの歩行距離が短くなっている場合がある


こうした部分を整えることで、構造的な狭窄そのものを治すのではなく、症状を悪化させている要因を減らし、少しでも楽に動ける状態をサポートする、という関わり方ができます。



こんな時に整体という選択肢を考えてほしい


  • すでに整形外科で「脊柱管狭窄症」と診断を受けている

  • 排尿・排便障害などの緊急性の高い症状はない

  • 薬やリハビリを続けているが、日常生活の動きづらさが残っている

  • 手術は今のところ避けたいが、できることをしたい


このような状況であれば、整形外科での治療と並行して、整体を選択肢に加えていただくのは合理的だと考えています。



実際にあったご相談から


以前、整形外科で脊柱管狭窄症と診断され、リハビリに通いながらも「反り腰の姿勢が強く、少し歩くと足がしびれる」というご相談がありました。

反り腰につながっている腹筋・股関節まわりの筋肉のバランスを整えていく中で、しびれが出るまでの歩行距離が延びていったケースがあります。あくまで一例であり、狭窄の程度によっては変化が出にくい場合もあります。



当院での考え方とアプローチ


当院では、脊柱管狭窄症そのものを「治す」とは言いません。診断や画像評価は整形外科の領域であり、そこは正確にお伝えする必要があると考えています。

そのうえで、診断を受けた後の「症状を悪化させている姿勢や筋肉の使い方」に対しては、丁寧に評価し、少しでも楽に過ごせる状態を一緒に目指すお手伝いをしています。

→ 詳しくはこちらの腰痛のページをご覧ください



まとめ


脊柱管狭窄症は、脊柱管という神経の通り道が狭くなることで起こる疾患で、「歩くとしびれる、休むと楽になる」間欠性跛行が特徴です。診断と治療の基本は整形外科ですが、排尿・排便障害などの緊急性が高いサインがなく、すでに診断を受けている方であれば、症状を悪化させている姿勢や筋肉の緊張に対して、整体がサポートできる可能性があります。





ここまでお読みいただきありがとうございます。


今回の内容のように、脊柱管狭窄症による歩きづらさは、

反り腰の姿勢の強さ、

腰まわりの筋肉の緊張度合い、

歩き方や日常動作のクセ、

神経周囲の血流の状態

が関わっていることが多くあります。


そのため、すでに整形外科で診断を受けている場合でも、

「痛み止めを飲んで、できるだけ動かないようにする」

「歩くのが怖いので、外出自体を控える」

といった対処だけでは、日常生活の動きづらさそのものは残ってしまうケースも少なくありません。


実際に、

「少し歩くと足がしびれて、立ち止まってしまう」

「反り腰気味で、洗濯物を干すのがつらい」

「リハビリには通っているけど、変化を感じにくい」

という方の多くが、

"症状を悪化させている姿勢や筋肉の緊張"へのアプローチが、治療の中に含まれていない状態です。


もし、

・すでに脊柱管狭窄症の診断を受けている

・排尿や排便に関わる症状はない

・薬やリハビリを続けているが、動きづらさが残っている


このような状況に当てはまる場合は、整形外科での治療と並行して、体の使い方を見直すことを検討する価値があります。


当院では、診断内容やお薬の状況を伺ったうえで、

反り腰や周囲の筋肉の緊張まで含めて評価し、

「今の生活の中で、何が症状を強めてしまっているのか」

を一緒に整理していきます。


無理に通院をすすめることはありませんので、

「まずは今の状態について相談したい」

という方も安心してご相談ください。



参考文献

  • 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」

  • 聖路加国際病院 整形外科「腰部脊柱管狭窄症の診断と治療」

  • 米盛病院 Webマガジン「間欠性跛行」

  • 足立慶友整形外科「腰椎狭窄症の間欠跛行」





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