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座ると腰が痛いのはなぜ?原因と対処法を柔道整復師が解説

山田涼太
4 日前
読了時間: 10分

更新日:14 時間前

ストレッチしている女性

座っていると腰が痛くなる、立つと少しラクになる


「パソコン作業をしていると、だんだん腰が重くなる」


「ソファでテレビを見たあと、立ち上がる瞬間に腰が痛い」


「子どもの送迎で車を運転していると、腰がつらくなってくる」


このような「座ると腰が痛い」というお悩みは、宇都宮整体院 咲にも多く寄せられます。実は、座っている姿勢は、立っているときよりも腰に負担がかかりやすい姿勢です。

この記事では、柔道整復師の院長が、座ると腰が痛くなる原因と、自分で確かめられるセルフチェック、今日からできる対策をお伝えします。

あわせて、多くの方がやってしまう「良かれと思って悪化させてしまう勘違い」や、当院で実際に改善した方の例もご紹介します。



まずはセルフチェック:あなたの腰痛はどのタイプ?


原因を考える前に、ご自分の痛みの出方を確認してみましょう。

当てはまるものをチェックしてください。


☐ 座った直後ではなく、しばらく座っていると痛くなってくる


☐ 立ち上がって少し歩くと、痛みがラクになる


☐ 座ると背中が丸くなりやすい、または「姿勢を正さなきゃ」と常に意識している


☐ 柔らかいソファや床に座ると、特に痛みが強くなる


☐ お尻から太もも、足にかけて痛みやしびれがある


上の4つに当てはまる場合は、座り方や体の使い方のクセが関係している可能性が高いタイプです。次の章の原因と対策が参考になります。

一番下の「お尻から足の痛みやしびれ」がある場合は、神経が関わっている可能性があります。この記事の後半にある「病院に行くべきサイン」も、あわせて確認してください。



座ると腰が痛くなる主な原因4つ


1. 椎間板への負担

背骨の骨と骨の間には、クッションの役割をする「椎間板」があります。座っている姿勢、特に背中が丸まった姿勢では、この椎間板にかかる圧力が立っているときより大きくなります。長時間座り続けると、椎間板やその周りに負担がたまり、腰の奥が重く痛むような症状が出やすくなります。

2. 骨盤が後ろに倒れる(骨盤の後傾)

浅く腰かけて背もたれに寄りかかったり、柔らかいソファに沈み込んだりすると、骨盤が後ろに倒れます。すると腰のゆるやかなカーブが失われ、腰の筋肉や椎間板に負担が集中します。「座り方」が原因の腰痛で、もっとも多いパターンです。

3. 股関節やお尻の筋肉が硬くなる

座っている間、股関節は曲がったまま、お尻の筋肉は押しつぶされたままになります。この状態が長く続くと、股関節の前側の筋肉(腸腰筋)やお尻の筋肉が硬くなります。腸腰筋は腰の骨につながっているため、硬くなると腰を引っ張り、痛みの原因になります。

4. 坐骨神経への圧迫

お尻の奥には、太ももの裏から足へと続く「坐骨神経」が通っています。座ってお尻が圧迫されたり、お尻の筋肉が硬くなったりすると、この神経が刺激されることがあります。その場合は、腰だけでなく、お尻から足にかけて痛みやしびれが出るのが特徴です。

実際には、これらの原因が1つだけでなく、いくつか重なっていることがほとんどです。



よくある勘違い:「姿勢を正せば治る」は本当?


腰痛に悩む方の多くが、「姿勢が悪いから腰が痛いんだ」と考えて、背筋をピンと伸ばそうとします。ところが、これが逆効果になっているケースを、当院では数多く見てきました。

無理に姿勢を正そうとすると、胸を張りすぎて、腰が反った状態になりやすくなります。腰が反ったままだと、背骨の中でも胸と腰の境目(胸腰椎移行部)に負担が集中し、かえって痛みを強めてしまうのです。

大切なのは「背筋を伸ばすこと」ではなく、「腰に負担が集中しない座り方をすること」です。具体的には、骨盤を立てて、お腹の力で上半身を支えるイメージです。腰を反らせて支えるのとは違います。

もう一つの勘違いが、「座っているのが悪いなら、立っていればいい」という考え方です。立ち仕事に切り替えても、腰に負担がかかる体の使い方のクセが同じなら、痛みは良くなりません。この点は、後半の実例でも詳しくご紹介します。



家庭で見落としやすい「座り方の落とし穴」


「座ると腰が痛い」というと、デスクワークの方の悩みと思われがちです。ですが、家事や子育てをしている方にも、腰に負担がかかる座り方の場面はたくさんあります。


柔らかいソファ

お尻が沈み込むと骨盤が後ろに倒れ、腰が丸まった姿勢で固定されます。くつろいでいるつもりでも、腰には負担がかかり続けています。

床座り・横座り

横座り(いわゆる「お姉さん座り」)は、体重が左右どちらかに偏り、骨盤がねじれた状態になります。いつも同じ側に足を流している方は特に注意が必要です。

車の運転

お子さんの送迎や買い物で、毎日のように運転する方も多いと思います。運転中は同じ姿勢が続くうえ、車の振動も腰に伝わります。シートを倒しすぎて浅く座ると、骨盤が後ろに倒れやすくなります。

授乳・抱っこしたままの座り姿勢

授乳中や、寝かしつけで赤ちゃんを抱っこしたまま座っていると、前かがみで背中が丸まった姿勢が長く続きます。産後は体の回復途中でもあるため、腰に負担がかかりやすい時期です。

どの場面にも共通するのは、「同じ姿勢が長く続くこと」と「骨盤が倒れたりねじれたりすること」です。


今日からできる対策


座り方を見直す


  1. 足の裏全体が床につく高さに椅子を調整する

  2. お尻を背もたれの奥まで引いて座る

  3. 腰と背もたれの間にすき間ができる場合は、丸めたタオルやクッションを挟む

  4. 柔らかいソファでは、硬めのクッションを1枚敷いて沈み込みを防ぐ

  5. 胸を張るのではなく、お腹に軽く力を入れて上半身を支える


「痛くなる前に」動く


どんなに良い姿勢でも、同じ姿勢が続くこと自体が腰の負担になります。30分から1時間に1回を目安に、立ち上がって少し歩きましょう。30秒程度でも十分です。

デスクワークの方はタイマーを使うと続けやすくなります。家事の合間なら、洗濯物を取りに行く、お茶を入れるなど、立ち上がるきっかけを決めておくのがおすすめです。


簡単な体操


背中を丸める体操(反りすぎた腰をゆるめる)

仰向けに寝て両ひざを抱え、ゆっくり胸に引き寄せて20〜30秒キープします。腰の後ろが気持ちよく伸びる程度にとどめてください。

お尻のストレッチ

椅子に座り、片方の足首を反対側のひざに乗せます。背筋を軽く伸ばしたまま上半身を少し前に倒し、お尻が伸びるのを感じながら20〜30秒キープします。左右行いましょう。

どちらも、痛みが強くなる場合はすぐに中止してください。「痛気持ちいい」程度が目安です。



こんな症状があれば、まず病院へ


腰痛の多くは体の使い方や筋肉の問題ですが、中には病気が隠れていることもあります。次のような症状がある場合は、整体よりも先に整形外科などの医療機関を受診してください。


・安静にしていても、夜寝ていても痛みが強い

・発熱をともなう

・足のしびれや力の入りにくさが、だんだん広がっている

・尿や便が出にくい、またはもれる

・転んだ、ぶつけたなど、はっきりしたきっかけのあとから痛い

・体重が急に減っている


また、姿勢を変えても痛みがまったく変わらない場合は、内臓の病気が関係していることもあります。

当院でも、こうした症状がある方には、まず医療機関での検査をおすすめしています。原因をはっきりさせてから施術に入る方が、結果的に改善への近道になるからです。



【実例】昇降デスクを買っても良くならなかった腰痛


当院に来られた患者さんのお話です。

デスクワークで長時間座っていると腰が痛くなり、立つとラクになる。そう気づいたこの方は、「座っているのが悪いなら」と、昇降デスクを購入して立って仕事をするようにしました。ところが、良くなるどころか、お尻から足にかけての痛みやしびれまで出てくるようになってしまいました。


「姿勢を正さなきゃ」が、腰を追い込んでいた


お話を伺うと、この方は腰痛を良くしようと、座るときも立つときも「背筋をピンと伸ばす」ことを意識していました。その結果、腰が反りすぎた状態が続き、胸と腰の境目(胸腰椎移行部)に負担が集中していたのです。

つまり、問題は「座っていること」そのものではなく、「腰に負担がかかる姿勢のクセ」でした。立ち仕事に変えても、同じクセのまま立っていれば、腰への負担は変わりません。


改善までに取り組んだこと

施術とあわせて、次のようなリハビリに取り組んでいただきました。


・腹横筋のトレーニング

:お腹の奥にある、天然のコルセットのような筋肉を鍛え、腰を内側から支える力をつける

・背中を丸める体操

:反りすぎた腰をゆるめ、胸と腰の境目に負担が集中しないようにする

・お尻の筋肉のトレーニング

:骨盤を支える力をつけ、腰だけに負担がかからない体にする


こうした取り組みを続けた結果、痛みやしびれは改善し、現在は再発予防のためにメンテナンスで通っていただいています。

この方のケースから分かるのは、「座ると痛い」腰痛は、座り方や道具を変えるだけでは解決しないことがある、ということです。大切なのは、なぜ痛みが出ているのかという原因を見極めることです。

※改善の経過には個人差があります。お尻や足のしびれが強い場合や、長く続く場合は、まず医療機関での検査をおすすめします。



まとめ:座ると痛い腰痛は「原因を見極める」ことから


座ると腰が痛くなる原因は、椎間板への負担、骨盤の傾き、股関節やお尻の硬さ、坐骨神経への圧迫など、いくつかが重なっていることがほとんどです。そして「姿勢を正せばいい」「立っていればいい」という対策だけでは、かえって悪化してしまうこともあります。

この記事でご紹介した対策を試しても良くならない場合や、何が原因なのか分からず不安な場合は、一度ご相談ください。宇都宮整体院 咲では、丁寧なお話と検査で痛みの原因を見極め、一人ひとりに合った施術とセルフケアをご提案しています。


■ 追伸

ここまでお読みいただきありがとうございます。

今回の内容のように、座ると腰が痛くなる症状には、座っているときの骨盤の傾き、股関節やお尻・太もも裏の筋肉の硬さ、腰を支えるお腹まわりの筋力、「良い姿勢」だと思い込んでいる体の使い方のクセが関わっていることが多くあります。


そのため、「とにかく背筋をピンと伸ばして座る」「座るのが悪いなら、立って仕事をする」といった対処だけでは、かえって腰に負担をかけてしまう可能性があります。

研究でも、座ると腰が痛くなる方は、股関節や太もも裏の柔軟性が低く、座ったときに骨盤が後ろに倒れやすい傾向があることが報告されています。


実際に、「クッションや椅子を変えたけど、あまり変わらなかった」「立ち仕事に変えたら、お尻や足まで痛くなってきた」「姿勢に気をつけているのに、腰の痛みが繰り返す」という方の多くが、"なぜ座ると痛くなるのか"という原因へのアプローチが、これまでの対処に含まれていない状態です。


もし、・安静にしていても痛い、発熱があるなど、緊急性の高いサインはない・座り方や道具を変えても、痛みが繰り返している・お尻や足に、軽い痛みやしびれが出始めているこのような状況に当てはまる場合は、一度体の状態を確認し、原因に合わせたケアに取り組むことを検討する価値があります。


当院では、お仕事や家事での座り方、痛みが出るタイミングを丁寧に伺ったうえで、骨盤や股関節の動き、お腹まわりの筋力まで含めて評価し、「なぜ座ると腰が痛くなるのか」を一緒に整理していきます。


無理に通院をすすめることはありませんので、「まずは自分の状態を知りたい」という方も安心してご相談ください。→ 詳しくはこちらの腰痛ページをご覧ください


参考文献

・佐藤勝彦ほか「姿勢による椎間板内圧の変化―ヘルニアを伴う椎間板と健常椎間板との比較」臨床整形外科、1999年・「座位型腰痛と股関節可動域の関係」理学療法学(日本理学療法士協会)、2007年


この記事を書いた人

宇都宮整体院 咲 院長 山田涼太

宇都宮整体院 咲 院長 山田涼太

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